日本学士院

会員情報

 

氏名

鈴木茂嗣(すずき しげつぐ)

 

所属部・分科

第1部第2分科

選定年月日

平成25年12月12日

専攻学科目

刑事法学

現職等

京都大学名誉教授

受賞等

〔国内〕

〔海外〕

外国アカデミー会員等

 

主要な学術上の業績

鈴木茂嗣氏の研究対象は、刑法、少年法をも含めて刑事法の広い分野に及んでいますが、とりわけ刑事訴訟法について、捜査から公訴、公判、上訴、再審に至るまで、すべての領域にわたって優れた業績を上げ、学界をリードしました。鈴木氏は、まずドイツ刑事訴訟法学に学び、とくにゴルトシュミットの学説を参考に独自の基礎理論を構築し、さらにアメリカに留学して視野を広げ、多数の論文を発表して刑事訴訟法学の進歩に貢献しました。その成果は、『刑事訴訟の基本構造』など、三冊の論文集にまとめられています。比較的最近には、刑事の実体法(刑法)にも深い関心を寄せ、犯罪の「性質論」と「認識論」とを峻別するという手法でパラダイムの転換を試み、体系書『刑法総論』や論文集『犯罪論の基本構造』、『二元的犯罪論序説』などを上梓しています。

主要な著書・論文

主要著書

  1. 『注解刑事訴訟法(上・中・下巻)』(平場安治他との共著)(昭和43~52年、青林書院新社。全訂新版、昭和57~62年)
  2. 『刑事訴訟の基本構造』(昭和54年、成文堂)
  3. 『刑事訴訟法』(昭和55年、青林書院新社。改訂版;平成2年、青林書院)
  4. 『刑法総論』(平成13年、成文堂。第2版、平成23年)
  5. 『続・刑事訴訟の基本構造(上・下巻)』(上巻;平成8年、下巻;平成9年、成文堂)
  6. 『犯罪論の基本構造』(平成24年、成文堂)
  7. 『二元的犯罪論序説』(平成27年、成文堂。補訂2版、令和4年)

主要論文

  1. 「刑事司法の機能—ゴルトシュミットの実体的司法権論をめぐって—(1)(2)」法学論叢74巻1号、2号(昭和38年)(『刑事訴訟の基本構造』に所収)
  2. 「刑事訴訟過程の理論的分析に関する一考察—いわゆる二面説・三面説について—」法学論叢96巻4=5=6号(昭和50年)(『刑事訴訟の基本構造』に所収)
  3. 「規範的評価と可罰的評価」小野慶二判事退官記念『刑事裁判の現代的展開』(昭和63年、勁草書房)(『犯罪論の基本構造』に所収)
  4. 「構成要件論の再構成—認定論的『構成要件』概念について」法学論叢124巻5=6号(平成元年)(『犯罪論の基本構造』に所収)
  5. 「犯罪論の新構想」『京都大学法学部創立百周年記念論文集(第2巻)』(平成11年、有斐閣)(『犯罪論の基本構造』に所収)
  6. 「犯罪論は何のためにあるか—法科大学院・裁判員時代の刑法学―」近畿大学法科大学院論集創刊号(平成17年)(『犯罪論の基本構造』に所収)

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