日本学士院

国際交流

国際学士院連合協同研究活動

本院は、国際学士院連合(Union Académique Internationale, UAI)に大正8(1919)年に加盟して以来、今日に至るまで中枢機関として協同研究活動に参画しています。本院が関係する代表的な事業としては、大正11(1922)年から100年余継続している『在外未刊行日本関係史料』の複本作成並びにその翻訳・研究や令和元年に採択された『日本古貨幣目録』などがあります。平成29(2017)年10月には、第89回国際学士院連合総会を本院会館において開催しました。

国際学士院連合(Union Académique Internationale, UAI)ウェブサイト

 

在外未刊行日本関係史料

国際学士院連合の7番目のプロジェクトとして大正11(1922)年に採択されました。主に16~19世紀の日本に関する海外の歴史史料を調査し、蒐集しています。実務は東京大学史料編纂所に委嘱しており、マイクロフィルムなどの蒐集された史料は同所に保管され、研究者の利用に供されています。また、マイクロフィルム資料の内、『オランダ商館長日記』などの主なものについては東京大学史料編纂所により『日本関係海外史料』(原文編・訳文編)として刊行されています。

Unpublished Historical Documents Relating To Japan In Foreign Countries(国際学士院連合ウェブサイトにおけるプロジェクト案内)

『日本関係海外史料』(東京大学史料編纂所)

『日本関係海外史料目録』(東京大学史料編纂所)

日本古貨幣目録

国際学士院連合の94番目のプロジェクトとして令和元(2019)年に採択されました。国内外等の博物館等に所蔵されている江戸時代以前の日本古貨幣の目録を英語で出版するもので、第1巻『JAPANESE ANCIENT COINAGE I: A Catalogue of William Bramsen’s Collection in the National Museum of Denmark, Copenhagen』 (出版社:あるむ、ISBN: 978-486333-196-9)が令和5(2023)年に出版されました。

佐藤彰一会員「『日本古貨幣目録』をめぐって」(『日本学士院ニュースレター』No. 33)

Japanese Ancient Coinage(国際学士院連合ウェブサイトにおけるプロジェクト案内)

外国アカデミーとの交流

ロンドン王立協会を始め、現在までに海外の10カ国11機関との間に交流協定を結び、相手国の相互訪問、学術情報の交換、さらには共同研究を通じて学術の交流を促進しています。

交流協定締結アカデミー

機関名 締結年月日
ロンドン王立協会
(Royal Society of London)
1971.3.26
英国学士院
(British Academy)
1972.10.19
ルーマニアアカデミー
(Romanian Academy)
1976.10.12
ハンガリー科学アカデミー
(Hungarian Academy of Sciences)
1976.11.17
スウェーデン王立科学アカデミー
(Royal Swedish Academy of Sciences)
1980.4.23
ブルガリア科学アカデミー
(Bulgarian Academy of Sciences)
1980.10.22
フランス科学アカデミー
(Academy of Sciences, Institute of France)
1994.10.5
カナダ王立協会
(Royal Society of Canada)
1995.5.17
大韓民国学術院
(National Academy of Sciences, Republic of Korea)
1998.11.5
ドイツ自然科学・人文科学アカデミー連合
(Union of the German Academies of Sciences and Humanities)
2005.8.25
リンチェイ・アカデミー(イタリア)
(Accademia Nazionale dei Lincei)
2011.5.12

日韓学術共同事業

大韓民国学術院との学術共同事業として、平成18年より年1回、本院及び学術院の会員により日韓学術フォーラムを実施することとし、会場は日本及び韓国で交互に開催しています。学術フォーラムでは、人文・社会科学分野及び自然科学分野よりそれぞれ1分野を選び、関係分野の会員より報告が行われ、あわせて日韓両国に共通する問題について討議を行います。第15回フォーラムは令和5(2023)年9月に東京で開催されました。

『古代ラテン語集成』編纂への協力

『古代ラテン語集成』(Thesaurus Linguae Latinae)は、ヨーロッパ古典語であるラテン語について、西暦600年頃までの語彙を網羅的に収録し用例とともに記述する記念碑的大辞典です。19世紀の終わりにドイツ・オーストリアの5つの学士院の事業としてミュンヘン(バイエルン学士院)に編纂所を設立して事業が開始され、第2次世界大戦後は国際委員会の指導のもとに運営されるようになりました。日本学士院では、昭和62(1987)年より本編纂事業への協力を開始し、国際委員会への参加、資金援助、および研究者の派遣仲介を行っています。

(参照リンク)

松浦 純会員「『古代ラテン語集成』とそのオープンアクセス化」(『日本学士院ニュースレター』No. 33)

『古代ラテン語集成』プロジェクト(Thesaurus Linguae Latinae (TLL))(英語ページ)
『古代ラテン語集成』プロジェクト(Thesaurus Linguae Latinae (TLL))(ドイツ語ページ)

『古代ラテン語集成案内』(日本語のプロジェクト紹介、1989年)

なお、2019年には、本辞典のオープンアクセス化が実現しました(以下のリンク先からご利用ください)。

『古代ラテン語集成』オープンアクセス(TLL Open Access)(英語ページ)
『古代ラテン語集成』オープンアクセス(TLL Open Access)(ドイツ語ページ)
※公開は各分冊の冊子体が刊行された後3年を経てからとなります。