日本学士院

第10回学びのススメシリーズ講演会講演要旨

宇宙の始まりに迫る! —遠くを観測すれば過去が見える宇宙研究の楽しさ— 佐藤勝彦

私たちの住むこの宇宙は今から138億年前に火の玉として始まったと考えられています。ビッグバンとして始まった宇宙は膨張とともに温度が下がり、ガスが凝集して銀河や恒星、そして地球のような惑星が形成されたと考えられています。今、地球に誕生した生命、人類は高度な科学と技術を発展させ、宇宙がどのように始まったのか、そして現在の美しい宇宙が形成されたのか、物理学の理論や人工衛星や大型望遠鏡などハイテク技術を駆使して描き出そうとしています。宇宙では光や電波で遠くを観測すれば過去が見えてきます。光といえども有限の速さで伝わってくるので、今遠くからやってきている光は昔の時代に生じたものだからです。今、天文学は宇宙の始まり、「ビッグバンがなぜ、どのように起こったのか」という究極の疑問にもチャレンジしています。最新の研究をわかりやすく紹介します。