日本学士院

会員情報

 

氏名

金水 敏 (きんすい さとし)

金水 敏 (きんすい さとし)

 

所属部・分科

第1部第1分科

選定年月日

令和2年12月14日

専攻学科目

日本語学

現職等

受賞等

〔国内〕

〔海外〕

外国アカデミー会員等

 

主要な学術上の業績

金水 敏氏の日本語学研究の裾野は幅広いが、もっとも中心的なテーマになっているのは、日本語における存在表現の歴史的変化の解明です。上代から現代に至る日本語の代表的な存在動詞の意味や用法がどのように変化してきたのかということを、伝統的な国語学研究の方法によるだけでなく、広く言語学的な方法も取り入れて、明晰に跡付けることに成功しました。さらに、その研究の中から新たに役割語という概念を抽出し、社会心理学や社会言語学の知見を援用しつつ、ステレオタイプ化したバーチャルな日本語としての役割語がいかにして成立することになったのか、そして、その役割語が小説やマンガやアニメなどのメディアの発達と深い関係を有していることを明らかにして、日本語学研究に新しい領域を開拓しました。

主要な著書・論文

  1. 金水 敏『日本語存在表現の歴史』2006年刊, ひつじ書房
  2. 金水 敏『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』2003年刊, もっと知りたい!日本語, 7, 岩波書店
  3. 金水 敏(編)『〈役割語〉小辞典』2014年刊, 研究社
  4. 金水 敏 (2014) 『コレモ日本語アルカ?―異人のことばが生まれるとき』2014年刊, 岩波書店
  5. Kinsui, Satoshi (2017) Virtual Japanese: Enigmas of Role Language, 2017, Osaka, Osaka University Press (大阪大学出版会)
  6. 金水 敏 「第3章 統語論」金水敏・高山善行・衣畑智秀・岡﨑友子(著)『文法史』2011年刊, シリーズ日本語史, 3, pp. 77-166, 岩波書店
  7. Kinsui, Satoshi “The influence of translation on the historical development of the Japanese passive construction,” Journal of pragmatics 28: 759-779, 1997, Amsterdam, Elsevier Science.

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