会員情報
氏名
藤田宙靖(ふじた ときやす)
所属部・分科
第1部第2分科
選定年月日
平成25年12月12日
専攻学科目
行政法
現職等
東北大学名誉教授
受賞等
〔国内〕
旭日大綬章(平成23年)
〔海外〕
フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞(アレキサンダー・フォン・フンボルト財団)(1989年)
ドイツ連邦共和国功労勲章大功労十字章(2006年)
外国アカデミー会員等
主要な学術上の業績
藤田宙靖氏は、日独行政法学で構築されてきた「法律による行政の原理」・「近代法治国家の原理」を「ものさし」(理念型)として、独自性・一貫性を保ちつつ新たな法現象にも柔軟に対応できる行政法総論(作用法・救済法)の体系を樹立し、わが国公法学の発展に多大の寄与をしました。藤田氏が提示した、「行政主体と私人の二元的思考」・「行政の内部関係と外部関係」の図式および行政活動の「3段階構造モデル」は、近・現代における日本行政法の構造の重要な分析視角となっています。
同氏は、行政作用法とは異なる行政組織法なるものの固有性を解明することに努力を傾注し、行政組織法論の深化、体系化に大きな貢献をしました。同氏の業績はさらに、行政法各論の分野にも及んでいますが、とりわけ土地法の分野では、ドイツ法との比較を基礎として日本法の特色をみごとに描き出しています。
主要な著書・論文
著書
- 『公権力の行使と私的権利主張』有斐閣 1978年
- 『西ドイツの土地法と日本の土地法』創文社 1988年
- 『行政法学の思考形式』(増補版)木鐸社 2002年
- 『行政法の基礎理論』(上・下)有斐閣 2005年
- 『最高裁回想録』有斐閣 2011年
- 『行政法入門』(第7版)有斐閣 2016年
- 『裁判と法律学—『最高裁回想録』補遺』有斐閣2016年
- 『〔新版〕行政法総論 上・下』青林書院 2020年
- 『行政組織法』有斐閣 2022年
論文
- 「自由裁量論の諸相—裁量処分の司法審査をめぐって—」日本学士院紀要70巻1号、2015年
- 「覚え書き—集団的自衛権行使の容認を巡る違憲論議について」自治研究92巻2号、2016年
- 「自衛隊法76条1項2号の法意—いわゆる「集団的自衛権行使の限定的容認」とは何か」自治研究93巻6号、2017年
- 「「行政機関」と「公務員」—国家賠償法一条一項の捉え方をめぐって」自治研究95巻5号、2019年
- 「「国政への関与」—「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」(平成二八年八月八日)の法律学的検討」日本學士院紀要74巻1号、2019年
- 「大川小学校津波被災訴訟始末—「上告不受理決定」(最高裁)の意義—」日本學士院紀要77巻1号、2022年
- 「「スポンジ」対策と憲法二九条 ──「都市縮退」の時代における土地政策の一断面」日本學士院紀要79巻1号、2024年
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