会員情報
氏名
江崎玲於奈 (えさき れおな)
所属部・分科
第2部第4分科
選定年月日
昭和50年11月12日
専攻学科目
物理学
現職等
- (一財)茨城県科学技術振興財団理事長
- つくば国際会議場館長
- 筑波大学名誉教授
受賞等
〔国内〕
- 仁科記念賞 (昭和34年)
- 朝日賞 (昭和35年)
- 東洋レーヨン科学技術賞 (昭和35年)
- 日本学士院賞 (昭和40年)
- 文化功労者(昭和49年)
- 文化勲章(昭和49年)
- 日本国際賞(平成10年)
- 勲一等旭日大綬章 (平成10年)
〔海外〕
- 米国IRE協会モーリス・リーブマン賞(1961年)
- フランクリン協会スチュアード・バレンタイン賞(1961年)
- ノーベル物理学賞 (1973年)
- 米国物理学会国際賞(1985年)
- 米国IEEE協会最高栄誉メダル(1991年)
外国アカデミー会員等
- 米国科学アカデミー外国人会員(1976年)
- 米国工学アカデミー外国人会員(1977年)
- 独国マックスプランク協会会員(1989年)
- ロシア科学アカデミー外国人会員(1994年)
- イタリア科学アカデミー外国人会員(1995年)
主要な学術上の業績
多年にわたり、半導体物理学の分野できわめて卓越した業績を挙げてきました。その中でも、1957年、量子力学的トンネル効果をエサキ・ダイオードにより半導体中で検証した業績は、物理学上のきわめて重要な発見です。この「半導体内におけるトンネル現象に関する実験的発見」に対して、ノーベル物理学賞および文化勲章が授与されました。その後も多くの重要な研究成果を挙げましたが、中でも1969年、自然の物質を超える人工超格子や共鳴トンネルダイオードなどさまざまな人工的量子構造の作成は半導体の新分野開拓に貢献した重要な発明と見なされます。特に厚さナノスケールを制御するので、ナノサイエンスの嚆矢とされ、一時は世界における半導体研究者の約半数がこれに従事したといわれるほど、大きな影響を与えることになりました。この功績により、1998年、日本国際賞が授与されました。江崎博士の研究は、物理学的に重要なだけではなく、エレクトロニクスの素子の開発と発展にも大きく寄与しています。
主要な著書・論文
- L. Esaki, "New Phenomenon in Narrow Germanium p-n Junctions," Phys. Rev. 109, 603 (1958)
- L. Esaki and R. Tsu, "Superlattice and Negative Differential Conductivity in Semiconductors," IBM J. Res. Devel. 14, 61 (1970)
- L. Esaki and L.L. Chang, "New Transport Phenomenon in a Semiconductor Superlattice," Phys. Rev. Lett. 33, 495 (1974)
- L. Esaki, "A Bird's-Eye View on the Evolution of Semiconductor Superlattices and Quantum Wells" IEEE J. Quantum Electronics QE-22, 1611 (1986)
- L. Esaki, "Long Journey into Tunneling," Science, 183, 1149 (1974)
- L. Esaki, "Do-it-yourself Quantum Mechanics in Low-dimensional Structures," Physica Scripta, T42, 102 (1992)
- L. Esaki, "What did I explore in half a century of research? What discovery, what invention, where, when? Jpn. J. Appl. Phys. 54, 040101 (2015)
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