会員情報
氏名
小林誠 (こばやし まこと)
所属部・分科
第2部第4分科
選定年月日
平成22年12月13日
専攻学科目
物理学
現職等
- 名古屋大学特別教授
- 高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授
- 総合研究大学院大学名誉教授
受賞等
〔国内〕
- 仁科記念賞(昭和54年)
- 日本学士院賞(昭和60年)
- 朝日賞(平成7年)
- 中日文化賞(平成7年)
- 文化功労者(平成13年)
- 文化勲章(平成20年)
〔海外〕
- アメリカ物理学会J.J.Sakurai賞(1985年)
- 欧州物理学会高エネルギー・素粒子物理学賞(2007年)
- ノーベル物理学賞(2008年)
外国アカデミー会員等
主要な学術上の業績
小林誠氏は、1973年、益川敏英氏との共著論文において、1964年にK中間子崩壊過程で発見されたCP対称性の破れを理論的に説明することに成功しました。そして、物質の根源粒子であるクオークが3世代にわたり6種類存在しなければならないことを結論づけました。当時はまだ、クオークは陽子、中性子、ラムダ粒子に対応する3種類しか知られていませんでしたから、この6種類という予言がいかに時代に先んじていたかがわかります。実際、その後間もなく第4番目のクォーク(c)が発見され、やがて、第3世代のクオーク(bおよびt)もすべて発見されるに到りました。さらに、高エネルギー加速器研究機構およびスタンフォード大学SLACのBファクトリーにおいて、CP対称性の破れがB中間子の系でも発見されるに及んで、小林・益川理論は素粒子物理学において、ゆるぎない地位を確立しました。いわば「素粒子の周期表」を予言し確立した、ということができます。
主要な著書・論文