会員情報
氏名
長田重一 (ながた しげかず)
所属部・分科
第2部第4分科
選定年月日
平成22年12月13日
専攻学科目
分子生物学・生化学
現職等
- 大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授
- 大阪大学名誉教授
- 京都大学名誉教授
受賞等
〔国内〕
- 持田記念学術賞(平成4年)
- 朝日賞(平成10年)
- 上原賞(平成10年)
- 恩賜賞・日本学士院賞(平成12年)
- 文化功労者(平成13年)
- 慶應医学賞 (平成25年)
- 瑞宝重光章(令和4年)
〔海外〕
- Emil von Behring prize(1994年)
- Robert Koch Medal Award(1995年)
- Le Prix Lacassagne (1997年)
- Debrecen Award (Hungary) (2012年)
外国アカデミー会員等
- スイス・チューリッヒ大学名誉博士(2012年)
- 米国科学アカデミー会員(2015年)
- アメリカがん学会(AACR)アカデミー会員(2021年) オーストラレーシア細胞死学会先駆者 (2021年)
主要な学術上の業績
長田重一氏は、分子生物学の研究を展開し、細胞死に関して画期的な成果を上げました。なかでも、動物の発生や新陳代謝の際におこるアポトーシスと呼ばれる細胞死を引き起こすサイトカインとその受容体を同定しました。ついで、この細胞死の過程には、特殊な蛋白質分解酵素やDNA分解酵素が関与していること、死滅した細胞を速やかに体内から除去、分解するシステムが存在することを発見しました。また、アポトーシスシステムが動かなくなると自己免疫疾患など種々の病気を引き起こすことも見いだしています。以上、長田氏の業績は、細胞死の原理、生理作用を解明したものであり、理学、特に生命科学の発展に大きく貢献するものです。
主要な著書・論文
- Nagata S, Taira H, Hall A, Johnsrud L, Streuli M, Ecsodi J, Boll W, Cantell K and Weissmann C (1980) Synthesis in E. coli of a polypeptide with human leukocyte interferon activity. Nature 284: 316-320.
- Watanabe-Fukunaga R, Brannan CI, Copeland NG, Jenkins NA and Nagata S (1992) Lymphoproliferation disorder in mice explained by defects in Fas antigen that mediates apoptosis. Nature 356: 314-317.
- Enari M, Sakahira H, Yokoyama H, Okawa K, Iwamatsu A and Nagata S (1998) A caspase-activated DNase that degrades DNA during apoptosis and its inhibitor ICAD. Nature 391: 43-50.
- Hanayama R, Tanaka M, Miwa K, Shinohara A, Iwamatsu A and Nagata S (2002) Identification of a factor that links apoptotic cells to phagocytes. Nature 417: 182-187.
- Suzuki, J., Umeda, M., Sims JP. and Nagata, S. (2010) Calcium-dependent phospholipid scrambling by TMEM16F. Nature468: 834-838.