会員情報
氏名
西田篤弘 (にしだ あつひろ)
所属部・分科
第2部第4分科
選定年月日
平成20年12月12日
専攻学科目
宇宙空間物理学
現職等
- 宇宙科学研究所名誉教授
受賞等
〔国内〕
- 日本地球電磁気学会田中舘賞(昭和41年)
- 日本学士院賞(平成13年)
- 東レ科学技術賞(平成13年)
- 文化功労者(平成24年)
- 瑞宝重光章(平成26年)
〔海外〕
- ロシア宇宙航行協会Gagarin賞(2000年)
- ヨーロッパ地球物理学会Hannes Alfven賞(2001年)
- 国際宇宙科学会COSPAR宇宙科学賞(2006年)
- アジア大洋州地球科学会アクスフォード賞(2010年)
- 国際宇宙航行アカデミー基礎科学賞(2017年)
外国アカデミー会員等
- アメリカ地球物理学会フェロー(1988年)
- イギリス王立天文学会オナリーフェロー(1990年)
主要な学術上の業績
西田篤弘氏は、50年前のスプートニク打ち上げ以来急速に発展して来た宇宙空間物理学あるいは磁気圏物理学と呼ばれる新分野の世界的研究者として、その開拓と展開に重要な役割を果たして来ました。地球周辺の空間では、高さ約100kmから300kmの超高層大気が太陽からの紫外線を受け電離して電離層を作り、さらに上の高度領域では殆どがプラズマとなった状態の大気が地球と一緒に自転しています。この領域の外側境界が、プラズマ密度が急減するプラズマポーズです。さらに遠く 約60,000km以上の高度になると、太陽のコロナから流出してくる高速プラズマ流である太陽風が地球磁場の磁力線を閉じこめて磁気圏を作り、その中全体に対流運動が起き、夜側には細長い尾部ができています。西田氏は、プラズマポーズの成因を明らかにする理論を確立し、また、プラズマ対流の発生機構を明らかにするなど、地球周辺空間の基本構造の解明に大きく貢献しました。また、1990年代日本のジオテイル衛星プロジェクトのリーダーを務め、月軌道よりはるか遠くまで伸びる磁気圏尾部の構造と変動の観測によって、磁場のエネルギーによるプラズマ加速がオーロラの発生に関わっていることを実証しました。
主要な著書・論文
- Geomagnetic Diagnosis of the Magnetosphere, Springer Verlag, 1978